レゴ暦1391年7月20日 午前2時

ハンプシャー諸島南東5km地点

レゴリス首長国連邦海軍第11艦隊

連邦海軍第11艦隊の司令であるスヘル中将は緊張した声で航海長に問いかけた。
スヘル中将「むむむ・・・・。航海長、他の艦隊との合流ポイントまであとどれ位だ?」
航海長    「はっ!およそ4海里(約8km)となります。」
スヘル中将「そうか・・・・。」
航海長はスヘル中将の思い詰めた顔を見出した。
その時、通信士官からある報告が来た。
通信士官  「た、大変です!敵艦隊が第7艦隊を攻撃した模様。旗艦ハスバリアルとの連絡が取れません!」
スヘル中将「・・・・やはりそうきたか。」
通信士官  「は・・・・?」
通信士官は呆気に捕らえられていた。
スヘル中将「とりあえず君は所定の部署に戻りたまえ。これから忙しくなるだろうしな。」
通信士官「は、はっ!」
通信士官は急ぎ足でCICに繋がる階段に向かっていった。
続いてスヘル中将はこう命令した。
「艦長。全艦に命令。‘‘全艦輸形陣のまま現在の進路を維持。また、防空レベルを1に上げ、対航空機及び対ミサイル戦闘用意。,,とな。」
艦長はコクリと頷いた。
その直後、CICから‘‘敵ミサイル接近中,,との連絡が来た
スヘル中将は迎撃を指示したが、もう時既に遅し。その直後にスヘル中将は旗艦スベライスもろとも四散した。

レゴリス戦記 黙示録1391 第2話 「敗北するレゴリス首長国連邦軍」


午前2時30分

ハンプシャー諸島南西30km地点

レゴリス首長国連邦海軍第20艦隊

バルヒェット少将「我が艦隊だけ出遅れたのが幸い、か・・・・。」
バルヒェット少将は第20艦隊所属の無人偵察機が捕らえた第11艦隊の空母の残骸の映像を眺めながらそう呟いた。
U.R.E.海軍少佐「バルヒェット少将閣下、これからどう致しましょうか?」
バルヒェット少将「・・・・全艦反転、この海域より撤退するぞ」
U.R.E.海軍少佐「はっ。分かりました。」

午前3時

レゴリス首長国連邦首都 レゴリスシティー

レゴリス首長国連邦海軍軍令部

海軍軍令部総長「まだ出撃した艦隊と連絡が取れないのか!」
通信士官A     「無理です!敵のECMでまともに艦隊に届きません!」
海軍軍令部総長「ちっ」
アイゼンブルク海軍軍令部総長の顔は苦虫を噛み砕いたような表情であった。
通信士官B     「今東部方面艦隊群司令部と連絡が取れました!」
海軍軍令部総長「おお!それでどうだった?」
通信士官B     「・・・・最悪のパターンです。第7、第11、第13、第16、第17艦隊がほぼ全滅。残った艦隊も第20艦隊を除いて壊滅状態で現在敗走中だそうです。」
海軍軍令部総長「それは本当かね?」
通信士官Bはコクリと頷いた。
海軍軍令部総長「・・・・むむむ」
海軍軍令部総長「(迎撃作戦は失敗か。これは不味い。今すぐどうにかせねば。)」

午前3時15分

同所

レゴリス首長国連邦統合作戦本部

統合作戦本部長「・・・・海軍軍令部総長。君はこれを冗談で言っているのかね?」
海軍軍令部総長「いえ・・・・残念ですがこれは冗談などでは有りません。閣下」
統合作戦本部長は呆気に捕えられていた。それもそうだ。
当時海軍が保有していた艦隊は50個であるが、そのうち9個艦隊が事実上壊滅してしまったのだ。
統合作戦本部長「そうか・・・。海軍はこの損害の穴埋めは出来るかね?」
海軍軍令部総長「何とか出来そう・・・と申したいですが、この穴埋めは現状では不可能です。」
統合作戦本部長「・・・・予備兵力の動員を許可する。モスボール艦艇の使用許可もだ。多少はマシになるだろう。」
海軍軍令部総長「ありがとうございます。ではそうさせて頂きます。では失礼致します。」
海軍軍令部総長は軍の規定通りの敬礼をし、統合作戦本部長もそれに倣った。

統合作戦本部長「・・・・空軍と陸軍はどうなっている?」
オペレーター1「はっ!報告によりますと空軍は敵艦隊へ攻撃に向かった計20個打撃飛行隊が全滅し、既にハイネセル首長国に所在する各空軍基地も攻撃に晒されており、航空機の発着は現状では不可能です。」
オペレーター2「また陸軍ですがハンプシャー諸島及びその周辺の島々の駐屯地が攻撃され大多数の戦力が無力化された模様です。」
統合作戦本部長「そうか・・・・。」
統合作戦本部長は大きな溜息を吐いた。そして心の中でこう呟いた。
「(何もかもが後手後手に回っているな。さて、これからどうしたものか。)」

レゴ暦1391年7月21日 午前0時

ハンプシャー諸島南東5km地点

ブルーコスモス帝国レゴリス遠征軍艦隊

ブルーコスモス帝国海軍上級大将「ククク。遂に上陸地点までついたぞ。敵地上部隊はどうかね?」
ブルーコスモス帝国海軍少佐      「はっ。既に我が軍の航空兵力によってほぼ無力化したと思われます。」
ブルーコスモス帝国海軍上級大将「よろしい。」
そして一呼吸した後、ブルーコスモス帝国海軍上級大将はこう言った。
ブルーコスモス帝国海軍上級大将「では海兵隊に通達。この島々を赤く染め上げろ。とな。」

つづく